本記事は、関西の私大群「関関同立」・「産近甲龍」の関係性やレベルの差だったりを客観的に考えつつも、私的な意見を踏まえながら解説していきます。
私自身、立命館大学に通っていました。立命館はもちろん、関関同立や産近甲龍にも複数の友人がいたのである程度の的を得た意見にはなるかと思います。ぜひ、参考にしてみてください。
関関同立・産近甲龍についての基本的な情報
まず始めに、関関同立・産近甲龍について軽くどのような大学なのかについて触れておきます。2つの大学群は関東でいうMARCH・日東駒専のような位置付けを関西でされており、関西からももちろん関西圏外からも多くの学生が受験する有名私立大学といっていいでしょう。
簡単に各大学の特徴をまとめておきます。
関関同立
関関同立は以下の4つの大学になります。
- 関:関西大学
- 関:関西学院大学
- 同:同志社大学
- 立:立命館大学
関西大学
関関同立の中で序列をつけるなら関西大学が1番下と言われがちですが、個人的には全くそんなことはありません。私の意見としては、同志社かそれ以外というイメージです。
「関関同立の中でもっともキャンパスライフが楽しそうな大学は?」と聞かれると関西大学といった印象。メインキャンパスである千里山キャンパスに通えば、遊ぶ場所にも困ることがないでしょう。
関西学院大学
日本で初めてマルチディグリー制度を導入した大学。看板学部は国際学部で原則として全ての学生が海外留学をする必要があるので、留学したい学生にはおすすめですが看板学部ということもあり、偏差値が関関同立の中でも高い部類。
メインキャンパスである西宮上ヶ原キャンパスは、お世辞にも立地がいいとは言えず、遊ぶには少し困るかもしれません。
同志社大学
関関同立の中では、もっとも難易度が高いとされているのが同志社大学。京大や阪大の滑り止めとしても使われているので、めちゃくちゃ頭がいい人がいたりもする。個人的には関関同立の中でも最もプライドが高い学生がいるといったイメージ。
メインキャンパスである今出川キャンパスは関関同立の中でもっとも立地がいいと断言できます。京都の中心地に位置するので遊びやバイトに困ることがありません。
立命館大学
最も学生数が多いのが立命館大学。看板学部は国際関係学部で関関同立の中でも難易度が高いです。学部内には留学生も多く、国際連携学科では2年間アメリカの大学で学ぶことができます。
メインキャンパスである衣笠キャンパスは、同志社の今出川キャンパスほど立地はよくありませんが、京都市内に位置し、遊びにもアルバイトにも困ることはないでしょう。
産近甲龍
産近甲龍は以下の4つの大学になります。
- 産:京都産業大学
- 近:近畿大学
- 甲:甲南大学
- 龍:龍谷大学
京都産業大学
関関同立、産近甲龍の中で唯一全学部が1つのキャンパスに通うのが京都産業大学。日本の私大の中で最大の望遠鏡を有する天文台がキャンパス内にあり、研究力が高いという評価がされています。文系では産近甲龍の中で下の方の序列になるかもしれませんが、理系は上の方に位置するのではないでしょうか。
キャンパスは山の中にあるのでアクセスは悪いですね。個人的な意見にはなりますが、学食に関しては関関同立を含めてもっとも充実しているんじゃないかなと思います。
近畿大学
2023年度で10年連続、一般選抜での志願者数1位を獲得した近畿大学。産近甲龍の中での序列としては、頭ひとつ抜けているのではないでしょうか。学生数でいうと関関同立を含めても立命館に次いで2番目に多いです。というか、全国でみても立命館と近畿は学生数においてはトップクラスです。
メインキャンパスである東大阪キャンパスは大阪の中心街からはやや離れた場所に位置します。自習室が24時間開放されているのは近畿大学のみで、勉強が捗ります。
甲南大学
甲南大学は、産近甲龍の中で最も学生数が少なく”ミディアムサイズの総合大学”です。ミディアムサイズの大学ということで、”学生1人に対して受けれるサービスは他と比較して厚い”が強みと言われていますが、はたして実感できるレベルで恩恵を受けれるのかは不明です。
メインキャンパスである岡本キャンパスは、大阪の中心地と兵庫の中心地のちょうど真ん中あたりに位置するのでお世辞にも立地がいいとは言い切れません。
龍谷大学
キリスト系大学の同志社と関西学院に対し、関関同立・産近甲龍の中では唯一の仏教系の大学なのが龍谷大学。全ての学部に必須として仏教を学ぶ必要があります。
メインキャンパスである深草キャンパスは、すぐ近くに観光地があるのでシーズンになると最寄駅は観光客で溢れかえります。大学の近くには飲食店こそありますが、遊ぶとなると京都の中心地へ向かう必要があります。大学の敷地内にスタバがあるのでスタバ好きの人には嬉しいですね。
関関同立と産近甲龍の学力レベルの差について
関関同立と産近甲龍の学力レベルの差に関して調べてみました。学力に関しては、数字である程度は判断ができるので私的な意見は抜きにして河合塾が出している2023年6月時点での2024年度入試を予想した偏差値を参考にします。
また、その大学にしかない独自性がある大学(近畿大学医学部など)は比較対象がないため、今回は除外しておきます。加えて、理学部系・工学部系は同一学部としてまとめたので予めご理解ください。
偏差値をまとめた表が以下になります。
大学・学部 | 関西 | 関西学院 | 同志社 | 立命館 | 京都産業 | 近畿 | 甲南 | 龍谷 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
文 | 55-60 | 55-60 | 57.5-62.5 | 52.5-57.5 | 42.5-47.5 | 47.5-57.5 | 47.5-52.5 | 40-55 |
法 | 57.5-60 | 55-57.5 | 60-62.5 | 57.5 | 45-47.5 | 52.5-57.5 | 47.5-50 | 47.5-52.5 |
外語 | 57.5-60 | 42.5-45 | ||||||
心理 | 62.5 | 55-60 | 50-52.5 | |||||
経済 | 55-57.5 | 52.5-57.5 | 60 | 52.5 | 45-47.5 | 50-57.5 | 47.5-50 | 47.5-50 |
経営・商 | 55-57.5 | 55-57.5 | 60-62.5 | 55-57.5 | 42.5-45 | 47.5-55 | 47.5-50 | 47.5-50 |
国際 | 62.5-70 | 55-62.5 | 55-65 | 45-47.5 | 47.5-52.5 | 47.5 | 45-47.5 | |
社会 | 52.5-57.5 | 52.5-57.5 | 55-62.5 | 52.5-55 | 45-47.5 | 45-50 | ||
政策 | 52.5-57.5 | 52.5-55 | 57.5 | 52.5-55 | 45-47.5 | |||
神 | 50 | 55-57.5 | ||||||
理・工 | 52.5-57.5 | 50-57.5 | 55-62.5 | 55-57.5 | 45-50 | 42.5-57.5 | 45-47.5 | 40-45 |
生命 | 52.5 | 50-52.5 | 55-57.5 | 50-52.5 | 45-50 | 45-47.5 | ||
農 | 45-52.5 | 40-45 | ||||||
建築 | 52.5-57.5 | 52.5 | 50-52.5 | |||||
薬 | 55-57.5 | 52.5-55 |
表を見て分かるとおり、関関同立と産近甲龍の間には明確に学力レベルに差があると言えるでしょう。以上の結果を元にして学部毎にランキング形式で見ていきましょう。
大学・学部 | 関西 | 関西学院 | 同志社 | 立命館 | 京都産業 | 近畿 | 甲南 | 龍谷 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
文 | 3位 | 3位 | 1位 | 4位 | 8位 | 5位 | 7位 | 6位 |
法 | 2位 | 4位 | 1位 | 3位 | 8位 | 5位 | 7位 | 6位 |
外語 | 1位 | 2位 | ||||||
心理 | 1位 | 2位 | 3位 | |||||
経済 | 2位 | 3位 | 1位 | 5位 | 8位 | 4位 | 7位 | 7位 |
経営・商 | 4位 | 4位 | 1位 | 4位 | 8位 | 7位 | 7位 | 7位 |
国際 | 1位 | 3位 | 2位 | 7位 | 4位 | 5位 | 7位 | |
社会 | 3位 | 3位 | 1位 | 4位 | 6位 | 5位 | ||
政策 | 2位 | 4位 | 1位 | 4位 | 5位 | |||
神 | 2位 | 1位 | ||||||
理・工 | 3位 | 4位 | 1位 | 2位 | 6位 | 5位 | 7位 | 8位 |
生命 | 2位 | 4位 | 1位 | 4位 | 5位 | 6位 | ||
農 | 1位 | 2位 | ||||||
建築 | 1位 | 2位 | 3位 | |||||
薬 | 1位 | 2位 |
ランキング形式で見てみるといくつかの発見があったのでまとめておきます。
- 経済学部に関しては近畿 立命館
- 文系では龍谷 京都産業だが、理系では京都産業 龍谷
- 同志社が頭ひとつ抜けている
- 産近甲龍の中ではやや近畿が抜けている
それでは、就職活動に関関同立と産近甲龍では差が表れるのかについてみていきましょう。
関関同立と産近甲龍の差で就職活動に影響はあるのか
それでは、関関同立と産近甲龍では就職活動について差が出るのかについてです。就職率に関しては両大学群にほとんど差はありませんでした。なので就職先についてフォーカスしていきます。今回は民間企業と公務員に分けて調べていきます。
民間企業
関関同立、産近甲龍の2022年度卒の有名企業400社への就職率は以下のようになっています。有名企業400社は、日経平均株価指数の採用銘柄や会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定されています。
関西大学 | 13.4% |
関西学院大学 | 20.0% |
同志社大学 | 26.2% |
立命館大学 | 17.3% |
京都産業大学 | 6.0% |
近畿大学 | 7.3% |
甲南大学 | 6.4% |
龍谷大学 | 5.2% |
データをまとめると有名企業への就職率は関関同立と産近甲龍で2倍もの差が出てしまい、同志社と龍谷を比較するとなんと5倍もの差が出るといった結果になりました。
公務員
2018年卒の関関同立、産近甲龍の公務員への就職についてまとめました。大学通信のデータを引用しました。
就職者数 | 就職率 | 国家公務員 | 地方公務員 | |
関西大学 | 452 | 6.8 | 79 | 373 |
関西学院大学 | 443 | 8.8 | 52 | 391 |
同志社大学 | 381 | 6.2 | 113 | 268 |
立命館大学 | 568 | 8.0 | 126 | 442 |
京都産業大学 | 147 | 5.6 | 13 | 134 |
近畿大学 | 355 | 5.3 | 42 | 313 |
甲南大学 | 89 | 4.6 | 16 | 73 |
龍谷大学 | 282 | 7.1 | 24 | 258 |
まとめ|関関同立・産近甲龍間にレベル差はあったのか
今回は関関同立と産近甲龍の間の差について学力・就職という点で調べてみました。
学力に関していうと、関関同立と産近甲龍の間に確かなレベル差はありましたが、近畿大学は関関同立に大きく劣ってはいませんでした。
就職に関しては、関関同立と産近甲龍の間に大きな差が出ていました。しかし、産近甲龍の間では大きな差は出ていませんでした。